檜原先生のスーパーヴィジョンを受けて

セコイアでスーパーヴィジョンを受けるようになって2年が過ぎました。今までカウンセリングケースや心理検査について丁寧に教えていただきました。
 
あるカウンセリングケースでは、今までの私の経験からは対応することが難しくセコイアで毎回のセッションを見直していただくことになりました。クライアントは長い間対人関係、精神症状に苦しんでおりました。私としても「何とかしてあげたい!」と思いケースに臨んでいました。
しかし、毎回のカウンセリングではクライアントが一方的に話し、カウンセラーが聞きたいことや深めたいことに話の流れを乗せることが難しく、どうカウンセリングを継続すればいいのか悩みました。クライアントも日頃安心して話す場所がないと思ったので、「カウンセリングで自分が主体的に話したいように話せるだけでも良いのかな~」など、恥ずかしながらクライアントに任せっきりのカウンセリングにしてしまいがちになっていました。
 
しかし、檜原先生より「幼少期からの振り返りをきちんとしないと、今の症状も良くならない」と助言をいただき、カウンセリングの中でクライアントの当時の「認知」や「感情」に触れるようにしていきました。しかし、クライアントは自分の「認知」には触れますが、「感情」にはなかなか触れてくれません。そのため、カウンセリングも深まらず私もクライアントの気持ちをいまいち理解できない状態が続きました。また、「感情」に触れることをクライアントも避けているように感じ、私としても対応に迷いが生じてきました。


そこで今度は、檜原先生より心理教育も含めながらカウンセリングに取り組んでみたらどうかと助言をいただきました。確かに、感情を抑えて生きてきた人にいきなり「感情を出して」と言ってもなかなか出してくれません。私は、カウンセリングの中で「こういうのが感情なんですよ」と、具体例を挙げながら説明しました。クライアントも理解し納得されたため、過去のトラウマ体験に沿って、当時の「感情」にピントを合わせてカウンセリングを進めました。すると、過去の話を振り返りながら、当時の「感情」をポツポツと話し始めてくれました。クライアントがどれだけ辛く、苦しい日々を送ってきたのかこちらにも伝わり、このような「感情」を押し殺しながら今まで生きてきたのは、さぞ大変だったとクライアントに対する理解も深まりました。
 
今まで闇雲に「感情」に触れるよう促してきましたが、ピンと来ていないクライアントには酷な話だったと思います。学生時代より、カウンセリングについて学ぶ時、心理教育は別の機会で行うものだと考えていました。しかし、クライアントのようなケースには心理教育も含めながらセッションを進めると良いのだと分かりました。クライアントのニーズに合わせてカウンセリングを提供していくことが大切なのだと気づきました。
 
心理士としてまだまだ経験は浅いのですが、毎回セコイアのスーパーヴィジョンでは、的確な助言と「なぜそうすると良いのか」という理由付けをしっかり教えてくれますので、未熟な私でも理解がしやすく、とても助かっています。また、いろいろ修正を図った方がいい所もあると思いますが、「カウンセラー(スーパーヴァイジー)が今何について困っているのか」という点に絞って教えてくれますので、話が膨らまずこちらも適度なお土産を持ち帰り次のセッションに臨むことができます。あれもこれもいきなり教えていただいてもなかなか消化できないため、却ってカウンセリング中に混乱してしまうと思いますが、そういう意味ではセコイアでは話をコンパクトに教えていただけるのでこちらの理解も深まります。セコイアでスーパーヴィジョンを受けるようになり、心に余裕ができ大変良かったと思います。

平成28年11月
H.Oさんより