アルコール・薬物依存症・摂食障害

【依存症とは】

依存症(嗜癖)とはもともとは適応的であった行動が、適切な自己調節機能を失った状態で繰り返され、個人の利益にそぐわなくなった状態をいう。

【嗜癖とは】

ある習慣への過度な執着で、学習と習慣化によって形成された 『悪しき習慣』をいう。

【さまざまな嗜癖】

(1)物質乱用:アルコール・薬物依存・摂食障害など
(2)過程嗜癖:ギャンブル依存・買い物依存・仕事依存・自傷癖・抜毛癖・ 窃盗癖・痴漢癖・放火癖など
(3)人間関係嗜癖:共依存・恋愛依存・セックス依存など

【アルコール依存症の診断基準】(ICD-10)

①飲酒したいという強い欲望あるいは強迫感がある(渇望)
②飲酒の開始、終了、あるいは量に関して、行動を統制することが困難(抑制喪失)
③飲酒を中止したり、減らしたりしたときの生理学的離脱状態(離脱症状)
④少量のアルコールで得られていた効果を得るために、飲酒量を増やさなければならなくなる(耐性)
⑤飲酒のために、ほかの楽しみや興味を次第に無視する。飲酒せざるを得ない時間や回復するための時間がかかるようになる(飲酒中心の生活)
⑥明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず、依然として飲酒する(負の強化への抵抗)
(過去1年間に3項目以上該当する)

【摂食障害(DSM-IV)】

拒食症(神経性無食欲症)

①年齢と身長から計算される正常体重の最低限(85%)以上を維持することを拒否する。
②体重が不足している場合でも、体重が増えることや肥満する ことに対する強い恐怖がある。
③自分の体重や体型の感じ方の障害:自己評価が体重や体型に過剰な影響を受けている、または現在の低体重の重大さを否認する。
④初潮後の女性の場合は、3回以上続けて月経がない(女性ホルモンを投与された時のみ月経が起こっている場合は無月経とみなす)

過食症(神経性大食症)

①過食の繰り返し。過食の特徴は以下の2つ。
「過食時間」には、人より明らかに多い食物を食べる。
過食している間は、食べることを制御できないという感覚。
②体重の増加を防ぐために不適切な「埋め合わせ行為」を繰り返す。
たとえば、嘔吐、下剤、利尿剤、浣腸、薬物の乱用、絶食、過剰な運動など。
③過食および不適切な「埋め合わせ行為」は、少なくとも3か月間にわたって平均週2回以上起こっている。
④自己評価が体重や体型に過剰な影響を受けている。
⑤現在拒食症の診断基準は満たさない。