買い物依存のH子

「買い物がとまらない。何かいい方法があるのなら教えて欲しい。自己破産することになったがどうすればよいか?」と来室。夜間、インターネットを観ていて、買いたい衝動に駆られてワンクリックしてしまう。後日、配達されても記憶にない物まで届いてきて自分でもビックリする。ショップに行けば、店員に色々勧められて断れない、お金がないと取り置きを頼んでしまう。

病弱な子供の子育て、母親との葛藤、夫から受ける言葉の暴力等々、そんな毎日の生活の中を一所懸命耐えていたが、子育てが一段落して、転居も重なり、ふと孤独で寂しいと感じたH子は、自分に関心や注目を向けてくれるやさしい店員やネットの向こうにいる購買を喜んでくれる人、購入するまでのワクワク感と興奮、気がついてみたら買い物の魔力にはまり、1500万円の借金と洋服と靴、バッグ等の山に埋もれていた。

 

H子の強迫傾向は、幼少期からあり、コントロールできない辛さをずっと一人で抱えていた。来室時は、人ごと、他人任せ、受動的で自己肯定感がほとんどない状態であった。六ヶ月後、「買い物依存が病気であること」「自分一人ではないこと」「ほどほどに自分を好きになってよいこと」「自分では、コンントールできないことがあること」など自分と向き合い、新たな人生を探し始めた。「どこまでが病気じゃない買い物か?」が今の課題です。その答えは・・・・